診療科目

診療科目

■内科
腎臓内科/人工透析内科
消化器内科
脳神経内科
■循環器内科
■老年内科
■リハビリテーション科
病理診断科
■呼吸器内科

専門外来

腎臓内科

 腎臓の大きな働きとしては、体内の老廃物を尿として排泄させることが知られていますが、実は体の恒常性を保つために、それ以外にも多くの仕事をしています。一方腎臓になんらかの病気が生じ、腎臓機能の低下がある一定レベルに達すると、いくら治療を施しても後戻りができなくなってしまい、最終的には腎不全へと進行していきます。また、腎不全へと至らなくても腎機能障害が生ずると、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、あるいは閉塞性動脈硬化症のような心臓・血管疾患を引き起こしやすくなるといわれています。
 腎臓内科では、腎臓に何らかの疾患が生じた場合、多くの場合それは蛋白尿や血尿などの尿検査での異常としてとらえられますが、少しでも早く、そして正確に病態を把握し、適切な治療を行っていくことが大きな使命の一つです。そのために、私どもの施設では尿・血液検査、画像診断に加え腎生検を行い、的確に診断を進めております。また、腎機能低下が後戻りができない段階(ポイントオブノーリターン)に達してしまった患者様に対しては、少しでも機能低下を遅らせていくような治療と同時に、心臓・血管病変進展予防対策を講じてまいります。特に最近は糖尿病から腎機能が損なわれていくケースが多く、脂質の異常、高血圧、むくみ、そして心不全など様々な病態を合併してきます。そのような患者様に対しても病態に応じた治療を心がけています。
 しかしながら、治療を施しても腎機能低下が進んでしまう例も少なくなく、最終的には透析治療が必要となってしまった患者様に対しては血液透析や腹膜透析の導入を行っていきます(ただし腹膜透析の準備手術は他施設にお願いしています)。当施設では腎不全の治療として 透析治療が日本で産声を上げ始めた草創期以来、透析医療を行っており、スタッフ一同実に多くのことを患者様から学んでまいりました。そのことを私どもの財産として、患者様の身体的のみならず精神的苦痛を少しでも和らげ、そしてQOLを高めながら透析治療が継続できるように全力を尽くしてまいります。脳血管疾患などで身体機能が極度に低下された透析患者さまには、療養病床などで長期入院にも対応しながらリハビリテーションを行い、身体機能の向上、維持に努めております。

■対象となる主な疾患
ネフローゼ症候群、各種腎炎、全身疾患に伴う二次性腎障害(糖尿病、高血圧、膠原病など)、急性および慢性腎不全、維持透析状態、ブラッドアクセストラブル、腹膜透析腹膜炎など

■当院での治療内容
ネフローゼ症候群や活動性腎炎にたいするステロイド治療、免疫抑制剤治療
血液透析、血液濾過透析、LDL吸着はじめとするアフェレーシス治療、内シャント作成術および再建術、 経皮的血管形成術(PTA)など

■糖尿病による腎症
 糖尿病になると様々な合併症をひきおこすことは周知のとおりです。心筋梗塞、脳卒中、閉塞性動脈硬化症などの比較的大きな血管病変や、腎症、網膜症、神経症などの小さな血管病変による疾患が発症してくるのです。これらの疾患は高血糖のみならず、高血圧、脂質代謝異常、感染症などと複雑に絡み合い進行していくため、その管理には多方面からのアプローチが必要です。当院では糖尿病教室やフットケア等さまざまな形で患者さまにかかわっていき、少しでも合併症の進行を妨げられるように取り組んでまいります。
 合併症の一つである糖尿病性腎症は増加の一途をたどっており、透析治療が必要となる原因疾患として最も高率となっています。透析治療にまで至らなくても、糖尿病性腎症を一旦発症すると進行が止まらず、ネフローゼ症候群、全身の溢水状態、感染症や心・血管疾患の発症など、重篤かつ治療困難な状況に陥ってしまうことが知られています。当院では段階に応じた適切な治療を選択し、病勢の進行阻止に心がけています。

松前 知治

消化器内科

 当院の消化器科では食道・胃・小腸・大腸といった消化管とそれにつながる胆のうや膵臓といった臓器の疾患を中心に診断治療を行っています。以下のような症状がある方が対象となります。
○食欲不振、体重減少
○吐き気、胸焼け、腹痛、胃もたれ
○下痢や便秘をする、便に血が混ざる、便に粘液がついてくる

   病気としては、食道がん、胃がん、大腸ポリープ、大腸がん、胆のうがんといった悪性の疾患や逆流性食道炎、胃十二指腸潰瘍、クローン病、潰瘍性大腸炎、感染性腸炎、胆石症、膵炎といった良性の疾患のほか、胃や大腸に病変のない機能的な疾患などがあります。
   病気の診断のために行われる検査は、貧血や栄養状態、炎症があるかどうか検査する採血のほかに、内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)、消化管造影検査(食道胃透視、注腸検査)、超音波検査、CTといった画像検査があります。症例によっては内視鏡を用いての治療が行われています。消化管出血に対して、内視鏡を用いて止血術を行うこともあります。

■治療の概要
■食道、胃及び大腸のポリープなど内視鏡的な治療の適応があれば、切除を行っています。また、内視鏡的止血術、異物除去術なども行っています。手術が必要な症例は、総合病院への紹介をさせていただきます。
■胃、十二指腸潰瘍の難治例や再発の原因と考えられているヘリコバクターピロリ菌の除菌療法も行っています。
■炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)に対しては、一般的な内科的治療(5-ASA、ステロイド、免疫調整薬など)のほかに、抗TNFα抗体薬による治療も行っています。

村上 右児

脳神経内科

 神経内科は頭痛、痺れ、めまい、麻痺、運動障害、けいれん、脳卒中、物忘れなどの症状を中心に脳神経から筋肉の病気まで幅広い診療を行います。運動機能の回復に関しては、リハビリテーション部との連携で、脳卒中急性期から回復期・慢性期のリハビリはもとより、神経疾患全般のリハビリに至るまで総合的な対応が必要です。また、神経の病気の患者さんの医療には診断・治療は当然のことながら長期的なケアも大切になります。神経の病気でお困りの方は、一度ご相談下さい。

菊池 仁志

病理診断科

 平成26年7月1日、新たに病理診断科を標榜致しました。病理診断科とは、聞きなれない名称ですが、平成20年4月1日から政令で定められた新しい標榜診療科です。当院の病理診断科では、胆、膵、消化管疾患の病理を専門とし、検査や手術によって、人体から採取された材料から標本を作製し、顕微鏡で観察して、病変の存在の有無や良悪性について病理診断を行います。腎臓疾患に関しては、福岡大学病理学講座の腎臓病理部門に委託し、精度の高い病理診断が行われています。病理診断は、疾病の最終診断となり、その病理学的所見は、患者さん1人1人の治療方針の決定に役立ちます。患者皆様に対しても、御希望があれば、顕微鏡で直接組織標本をお見せしながら、病理診断結果についてご説明致します。

中山 吉福