睡眠中に呼吸が止まる、いびきが大きい、日中に強い眠気があるなどの症状について診療を行っています。
これらの症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
診療日
月曜日~土曜日

睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりすることを繰り返す病気です。主に、睡眠中に舌や周囲の組織が喉の奥に沈下し、気道(空気の通り道)が狭くなる、または塞がれることで発生します。その結果、大きないびきを伴い、呼吸の停止や低下が断続的に起こります。
呼吸が止まると血液中の酸素濃度が低下するため、一時的に覚醒して呼吸が再開しますが、再び眠りに入ると同様の状態が繰り返されます。これが一晩中続くことで、深い睡眠が十分に得られなくなります。
そのため、日中に強い眠気や集中力の低下が生じることがあります。ひどいいびきや睡眠中の呼吸停止を指摘されたことがある場合には、早めに検査・治療を受けることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関連する症状
睡眠時無呼吸症候群(SAS)には、主に次のような症状が見られます。
- 夜間の症状 :睡眠中に呼吸が止まる、大きないびき、不眠、頻繁にトイレに立つ(頻繁に目が覚める)
- 昼間の症状 :熟睡感がない、朝の頭痛、日中の強い眠気、集中力の低下
- 他の症状 :勃起機能不全(ED)
- 身体的特徴 :肥満
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併症
睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、睡眠中に呼吸が繰り返し止まることで血液中の酸素濃度が低下します。その結果、全身に十分な酸素を供給しようとして心臓への負担が増え、高血圧を発症しやすくなります。また、慢性的な低酸素状態により動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まることが知られています。
さらに、睡眠の質の低下や慢性的な睡眠不足によるストレスの影響で、血糖値やコレステロール値が上昇しやすくなり、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病、メタボリックシンドロームを合併することがあります。

1時間あたり10秒以上の呼吸停止が20回以上認められる中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放置した場合、心筋梗塞や脳梗塞、生活習慣病の悪化、日中の強い眠気による交通事故や労働災害などを引き起こすおそれがあります。このため、早期の検査および適切な治療が重要です。
検査について
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合には、重症度や原因を評価し、適切な治療方針を決定するための検査を行います。
■スクリーニング検査(簡易検査)
スクリーニング検査は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の早期発見を目的とした検査で、精密検査が必要かどうかを判断するために行います。
使用する機器は小型・軽量で、ご自宅に持ち帰り、普段どおりの生活の中で検査を行うことが可能です。
検査結果によって、より詳しい評価が必要と判断された場合には、次の段階としてPSG検査(睡眠ポリグラフ検査)を行います。
■PSG検査(睡眠ポリグラフ検査)
PSG検査は、スクリーニング検査の結果から精密検査が必要と判断された場合に、原則として1泊入院で実施する検査です。睡眠中の状態を総合的に評価することができます。
簡易検査の項目に加え、脳波、筋電図、眼球運動、心電図などを測定し、呼吸状態とあわせて睡眠の深さや覚醒反応の有無を数値として評価します。
装着するセンサーは複数ありますが、いずれも痛みを伴うものではありません。
治療法について
(1)睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療は、睡眠中の上気道(喉の奥)の空気の通りを改善し、呼吸停止を防ぐことを目的としています。これにより、睡眠の質が向上し、日中の強い眠気などの症状の改善が期待されます。
中等症から重症のSASに対しては、CPAP(シーパップ/経鼻持続陽圧呼吸療法)が標準的な治療として用いられます。CPAPは、睡眠中に鼻に装着したマスクから空気を持続的に送り込み、気道を広げることで無呼吸を防ぐ治療法です。

また、適応補助換気療法(ASV:Adaptive Servo Ventilation)と呼ばれる呼吸療法もあります。ASV療法は、呼吸器疾患のある方だけでなく、慢性心不全などに対する有効性も広く報告されています。CPAPでは十分な効果が得られない中枢性睡眠時無呼吸を伴う場合にも対応できる治療法であり、CPAPより高度な換気制御を行う点が特徴です。
中枢性の無呼吸は、心機能の低下が関係していることが多いため、原因を正確に評価したうえで、適切な治療法を選択することが重要です。
(2)日常生活上注意すべき点
多くのSAS患者では、肥満により上気道が狭くなっているため、治療とあわせて減量に取り組むことが重要です。また、喫煙や過度の飲酒はSASを悪化させる要因となるため、禁煙や適正飲酒も有効です。
(3)SASの治療効果
適切な治療により、睡眠中の呼吸停止が改善され、睡眠の質が向上します。その結果、日中の眠気や居眠りが軽減され、生活の質(QOL)の向上が期待できます。
また、SASが原因となる居眠り運転や漫然運転による事故の防止につながるほか、高血圧や心血管疾患などの合併症リスクの低減にも寄与します。

